FX投資家が望むキャリートレード復活の条件

ドル円のみならずクロス円もレンジに

ドル円のみならずクロス円もレンジに震災後の本邦経常収支赤字化懸念、潜在成長率低下懸念や財政のさらなる悪化懸念からくる円安圧力と、米国サイドの景気減速懸念やQE3(量的金融緩和第3弾)懸念からくるドル安圧力とが措抗するかたちで、ドル/円相場は5月以降、79〜83円程度の方向感のないレンジ取引に終始。この結果、インプライドボラティリティ(予想変動率)は短期のみならず10年物など長期のものも低下基調となり、1ヵ月物では一時8.0%台と3月11日の東日本大震災以前の水準を下回ってきている。

 

スポット相場のレンジ傾向はユーロ円や豪ドル円などのクロス円相場でも幅広くみられたことから、クロス円のボラティリティも円高基調にもかからず低下方向となった。過去、円高進行時には円売りポジションのヘッジ目的でオプションが買われる傾向があり、円高とボラティリティ上昇が同時に起こることが多かったが、円高とボラティリティ低下の同時進行は、円売りポジションの縮小傾向あるいは、ヘッジ手当てが進んでいることが示唆される。

 

今後、クロス円のボラティリティがさらに低下し、ドルクロスのボラティリティを下回ってくる場合には、金利差をボラティリティで除するかたちで導かれるリスク調整後の円キャリー取引の魅力(リターン)が、ドルキャリー取引に対して相対的に高まってくることを意味し、円安圧力につながる可能性が出てくる。ただし、ドルキャリー取引については、ドル資金の流動性が高く調達しやすい点があり、かつQE3には至らずとも当面は金融緩和が継続されるとの見通しのもと、持続的なドル高期待が生じにくいという、調達の容易さや通貨リターン面での優位がある一方で、円については本邦金融機関の海外機関に対する慎重な貸出スタンスもあって調達が容易でない点に難がある。

 

引用:初心者でもわかる達人のFX比較

ドル/円の上昇トレンド入りの条件

また、円、ドルとともに低金利調達通貨であるスイスフランについても、今後キャリー取引に用いられてくる可能性がある。これまでフランはユーロ圏周縁国危機に対するヘッジとして買われる傾向があり、ユーロ圏周縁国の対ドイツ国債利回り格差の拡大と歩調を合わせて上昇してきたが、フランはG10通貨のなかでも最も割高の部類に入るほど過大評価されているほか、ここへ来てようやく短期的なギリシャデフォルト懸念が後退したことから反落してきており、フランは従来からの低金利に加えて通貨リターン面でもキャリー取引の調達通貨としての魅力を取り戻す可能性が出てきている。

 

フランの調達通貨としてのリスクはギリシャの債務再編を巡る混乱など周縁国懸念の再燃だが、その場合は調達通貨にかかわらずキャリー取引全般の魅力が低下するため、キャリー通貨間の相対的魅力は問題とならないだろう。

 

当社は、米国経済がQE3が必要となるような後退局面に入るとは想定しておらず、従ってドル円相場の下落余地は限定的とみている。と同時に、当面は米国景気の回復ペースは緩やかで、対円でのドル大幅高も期待しにくいとみている。ドル円相場が79〜83円のレンジを上抜けしドル高局面に入るには、米景気の本格的な回復と米金融政策の正常化の開始が必要だが、その時期としては早くて2011年末頃だろう。当社ではFED(連邦準備制度)の国債償還金再投資政策・バランスシート規模維持政策は年末まで継続されるとみている。その時点で正常化開始に十分な程度まで米景気が回復したと判断されれば米中長期債利回りがいい意味で上昇に向かい、ドル/円相場押上げに寄与するだろう。

 

ドルに対する目先のリスクは米債務上限引上げ問題の帰趨だろう。上限の大幅引き上げと同時に大規模緊縮財政で合意に達した場合、一見好シナリオにみえるものの、過度な財政引締めが米景気の減速を招きドル資産離れ・ドル安を起こすというものだ。代替シナリオとして、上限が小出しに引上げられ緊縮財政策についても部分合意が積み上げられていくというもので、その場合は為替を含めた金融市場は反応しにくいだろう。

 

金利推移

 

FX投資家が望むキャリートレードはまだ時間がかかりそうだ。FXの基本である金利と為替差損益をバランスよくとることが重要であろう。それまではfx初心者の方の新規参入は控えたほうがよさそうだ。FXをはじめるときはしっかりfx比較をしてから始めた方がいいであろう。